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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
Haldaneは一次元ハイゼンベルグ反強磁性体おいて、「磁気励起スペクトルはスピン量子数が半整数の場合には基底状態と励起状態の間にはエネルギーギャップが存在しないが、整数の場合にはエネルギーギャップ(ハルデンギャップ)が存在する」ことを指摘している。このハルデンギャップの問題は磁性体の量子効果がマクロに現れる重要な例であり、理論、計算機実験、擬一次元系におけるさまざまな物性測定など多方面から研究されている。しかし、これまで報告されているハルデンギャップを持つ化合物の多くはNi^<2+>錯体でNO_2^-架橋であり、合成面からの研究は少ない。我々はハルデンギャップに対する架橋基と面内配位子の効果を調べるため種々の化合物を合成し研究を行った。 架橋基としてN_3^-を用い、面内配位子としてdimethylpropylenediamine(dmpn),1,4,8,12-tetraazacyclopentadecane([15]aneN_4),5,5,7,12,12,14-hexamethyl-1,4,8,11-tetraazacy clotetradecane(Me_6[14]aneN_4)をもつNi^<2+>化合物を合成し、構造決定を行い、磁化率の温度変化の測定を行うことにより、ハルデンギャップに対する構成要素の効果について検討した。この結果、ハルデンギャップの大きさに対する効果は、架橋基に関してはNO_2^-<N_3^-であり、面内配位子に関しては[15]aneN_4<Me_6[14]aneN_4<dmpn<tnである。前者は配位子場の強さによるものであり、後者はNi-N間距離すなわち立体障害によるものである。これらの結果から、面内配位子と架橋基を組み合わせることによりハルデンギャップの大きさを制御できることがわかった。
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