分子組織体を反応場とする光誘起電子移動及び光電気化学反応の磁場制御
Project/Area Number |
06218224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米村 弘明 九州大学, 工学部, 助手 (40220769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
中村 博 北海道大学大学院, 地球環境科学科, 教授 (00117194)
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 分子組織体 / 磁場効果 / D-A対 / LB膜修飾電極 / 光誘起電子移動 / ラジカル対 / 光電気化学 / ポルフィリン-ビオローゲン連結化合物 |
Research Abstract |
異相界面における反応に対する磁場効果は新たな局面への展開が期待されるのにかかわらずほとんど研究されていない。そこで、分子組織体における磁場効果の応用として、D-A対を固定した修飾電極での光電気化学反応に対する磁場効果を検討した。 プロフィリン-ビオローゲン連結化合物とアラキジン酸を混合したLB幕をビオローゲン側から透明電極に1層積層し、D-A対固定化修飾電極を作成した。3極電極セルを構成し、犠牲的電子供与試薬としてトリエタノールアミンを加え、修飾電極を光照射(>400nm)すると、アノード側方向の光電流が観測された。この光電流のアクションスペクトルを測定するとLB膜上のポルフィリンの吸収と一致し、上記の光電流はポルフィリンの光励起による分子内光誘起電子移動によっておこっている事がわかった。 電極セルを電極石中に置き、磁場を印加すると明らかな数%の光電流の増加が観測された。この磁場効果は電極表面に生成したポルフィリン-ビオローゲン対における磁場効果であると考えられる。すなわち、この磁場効果は電極表面において光励起で生成した分子内ラジカル対の項間交差過程が磁場の印加によって抑制され、電極への電子移動過程が増加するため観測されたと考えられる。 本研究によって、はじめてLB膜の光電気化学に対する磁場効果が観測された。この結果より、光エネルギー変換過程の磁場制御が可能であることが示され、また、光電流は少なくとも励起3重項経由して、3重項ラジカル対を生成して反応が起こっていることがわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)