有機磁性体の開発を目的とした安定ラジカルを含む高分子合成とその磁性研究
Project/Area Number |
06218226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 洋三 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50047312)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 有機磁性体 / 安定ラジカル / ポリラジカル / 高スピン状態 / 共役系高分子 / ESR / 磁化率 / 強磁性的相互作用 |
Research Abstract |
π共役系高分子のトポロジー的対称性を利用することによって高スピンポリラジカルを合成し、さらに何らかの工夫により、高スピンポリラジカル間で強磁性的な相互作用が生じれば、高分子強磁性体の構築が可能であることが理論的に予言されてきた。本研究では、ポリアセチレン系ポリラジカルが、理論的予測に反して常磁性的であったという研究結果をふまえて、ポリマー鎖内で、不対電子スピン間に強磁性的相互作用を誘起させるためには、共役ポリマーが平面構造をとる必要があると考え、ポリ(1,3-フェニレンエチニレン)骨格に安定ラジカルを組み込んだポリラジカルの合成を試みた。まず最初に、3,5-ジエチニルフェニルニトロキシド(1)と3,5-ジヨード-t-ブチルベンゼンの等モルを、1:4 トリエチルアミン-ビリジンを溶媒として、(pph_3)_2pdCl_2-Culの存在下、室温、窒素中、2時間反応させることによってニトロキシドポリラジカル2を橙色粉末として、87%の収率で得た。ESRにより決定されたポリラジカルのスピン濃度は83%と高い値を示したが、その磁性をSQUID magnetometerで測定した結果、ポリラジカルは常磁性的振る舞いを示す結果となった。このことから、スピン間に強磁性的相互作用を生じさせるには、スピン間の距離をもっと小さくする必要があると考え、1と3,5-ジョードニトロニルニトロキシドとの重縮合反応によりニトロキシドとニトロニルニトロキシドを組み込んだポリラジカル3の合成を試みた。ポリラジカル2と同様の条件を用いて3の合成を試みた結果、3が54%の収率で青色粉末として得られた。GPCにより分子量を求めたところ、2600となり、また、ESRによりスピン濃度を求めたところ、2.08×10^<21>spins/gとなり、この値は繰り返し単位当たり77%に相当する。今後3の磁気挙動について検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)