Project/Area Number |
06219214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (30178628)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 水素結合 / 溶液内化学反応 / 1 / fゆらぎ / 水和 / 疎水相互作用 |
Research Abstract |
平成5年度に引き続いて,ネットワーク構造を格子上の0または1の変数で表した動的モデルを分析した。ネットワーク運動のパターンが溶質の運動におよぼす影響、溶質間相互作用に及ぼす影響の分析を行うための模型が開発され、基礎的データが集められた。また、この格子模型の結果が分子動力学計算と比較され、分子動力学計算において1psから3ps程度の時間間隔で、氷に近い局所的構造が発達し、また崩壊する、という構造の形成と崩壊のパターンが確認された。局所構造指数という新しい量が定義され、この構造発達と崩壊の時間空間パターンが定量的に分析された。(a)構造が発達した分子は集まってクラスターを作っているが、このクラスターはパーコレーションモデルで考察された4本の水素結合を持つ分子のクラスターとは場所、形ともに異なる。(b)構造が発達した分子クラスターは、常温、常圧では線、または面のつながりをもち、大きな塊になることは少ない。(c)構造が発達した領域では1ps程度の周期の構造変化が特徴的に見られ、ラマンスペクトルに現れる40cm^<-1>程度のピークに相当すると考えられる。構造が発達した場所でのみ、この振動が観測されることはラマンスペクトルから推察された2状態描像とコンシステントである。などの知見が得られ、ネットワークの揺らぎを理解するための新しい切り口が得られた。 また、x線などの方法で解明された蛋白の立体構造から経験的ポテンシャルを構築し、蛋白質の立体構造に関する分子動力学計算を行った。トラジェクトリーは詳細に分析され、正しくフォールドするための必要条件が明らかにされた。とくに、疎水相互作用の重要性が明確にされ、ポテンシャルの改良が進んでいる。分子動力学の結果を定性的に再現する単純なスピングラス模型が開発され、フォールドの各段階の動的構造と蛋白質の構造の階層性との関係が分析された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)