Project/Area Number |
06219216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
小原 繁 北海道教育大学, 教育学部釧路校, 助教授 (80160935)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 分子積分 / 漸化表式 / 電子相関 / ガウス基底関数 / 高速計算法 |
Research Abstract |
電子相関を考慮した電子波動関数は分子系の物理的・化学的性質や反応を理論研究する上で不可欠である。従来は配置間相互作用法や摂動法により電子相関が考慮されてきた。しかし、生体関連の超大型分子系などの様な巨大系をも研究できるように研究対象を拡大すると、近年の電子計算機の高速化と計算アルゴリズムの改善をもってしてもこれらの方法をそのまま適用することはできない。新しい方法理論が必要であり、本研究では、電子相関を表わす因子を電子波動関数にあらわに組み込むことによって上記の問題に取り組むことを主眼とした。 電子波動関数Ψを電子間距離γ^<ij>を含む“相関因子"Cと含まない因子Φの積とした。こうすると、エネルギー表式には3電子以上の演算子が現われる。3電子以上の演算子の行列要素の一般表式の報告は無く、今回はじめてこれを導出し論文発表した。この論文において、表式の導出法が従来とは異なり簡明であること、および、導出された表式がコンパクトなものになっている点が特長である。この表式を使用して1電子軌道関数を変分法で決定する方程式も導出して論文発表した。この方程式は従来の方法におけるHartree-Fock方程式に該当するものだが、相関因子Cに由来する電子相関が考慮されている点が特徴である。これらの表式と変分方程式により上記波動関数を実際に計算するための基本数式が整ったことになる。 この変分方程式を行列方程式に変換することと実際の計算において多数の項を効率的に求値するためのアルゴリズムの開発が今後の課題として残っている。
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