Project/Area Number |
06219218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 京都大学, 工学部, 助手 (80197459)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 溶液内反応 / 回転異性化反応 / 計算機シミュレーション / 水の構造 |
Research Abstract |
温度が室温と160Kにおいて、水とメタノールの分子動力学(MD)シミュレーションを行い、さらにそれに対するポテンシャル極小(Q-)構造を得た。室温での水は、個々の分子でも系全体でも大きな揺らぎを有しているが、Q-構造においても揺らぎは非常に大きい。ポテンシャル曲面は不規則で、時間とともに大きく変化している。Q-構造は10fsのオーダーで隣接するQ-構造に遷移する。しかし、これまでの研究から大部分の遷移は配置空間の近接した領域に限られているが、しかし数100fsのオーダーで大きく水分子間の水素結合のネットワークが大きな変化を起こすことが知られている。このように小さな変動を除去し、大きな遷移のみを取り出すために、Q-構造の疎視化を行った。より具体的には、(1)得られた一連のQ-構造を、V-構造を求めたときと同様な方法で時間平均を行う、(2)得られた構造に対するQ-構造を求める、の操作を繰り返す。もし、配置空間でのポテンシャル面が単純で、strongな液体に対応するものならば、このような操作は何らの新しい情報をもたらさない。しかし、系がfragile液体に対応していて、さらに階層構造を有する場合には、この疎視化は有用であることが示された。
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