Project/Area Number |
06219222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松下 叔夫 大阪市立大学, 理学部, 講師 (80229468)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 分子軌道法 / 光化学反応 / 異性化反応 |
Research Abstract |
cyclobutadieneとそのヘテロ環状類似体であるazirene、oxirene、thiireneなどの化合物は反芳香族性を持つ化合物のモデルとして多くの研究が行われてきた。特にヘテロ環状類似体は反芳香族性に加えて三員環構造というきわめておおきな歪みエネルギーを有するため、高い反応性を示し実験的にその物理化学的性質を研究するのは非常に困難であった。そこで近年の理論化学的方法論の進歩により、信頼性度が増した ab initio分子軌道法をもちい、thiiren(C_2H_2S)及びその異性体の異性化反応の反応機構および物理化学的性質の検討を行った。まず異性体、中間体及び遷移状態の構造及び基準振動数をCASSCF法で求め、異性体間の相対エネルギー、反応エネルギーの比較を行い、さらにポテンシャル曲線を求め、基準振動ベクトルの解析を行い反応機構の検討を行った。この結果、thiireneからthioketeneへの異性化反応は、thiirenylideneは経由せず、thioformylmethyleneを経由して進行すること、そしてその反応障壁は非常に小さいことを明らかにした。さらにthioketeneからの異性化反応は基底状態ではいずれの経路も高い反応障壁が存在し、熱による異性化の可能性は低いことを示した。また最低励起三重項状態についても基底状態と同様の方法を用い反応経路の検討を行った。三重項状態ではthiireneの^3A"状態からISC及びICにより基底状態のthiireneが生成し、次にthioketeneへと異性化する経路が支配的であることを示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)