Project/Area Number |
06219227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute Fundamental Chemistry |
Principal Investigator |
田崎 秀一 基礎化学研究所, その他部局等, 研究員 (10260150)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 1 / f揺らぎ / 射影演算子の方法 / カオス力学系 / 決定論的拡散 / フラクタル分布 |
Research Abstract |
本研究は、環境が非平衡状態にある場合の凝縮相反応について、その動的な側面を統一的に扱える理論の構築を最終的な目的とし、本年度は以下の研究を行なった。1)1/f型揺らぎを受ける系の反応ダイナミックス:準安定領域から粒子が逃散する系において、1/f型のパワー・スペクトルを持つノイズが作用している場合の平均逃散率の時間変化をシミュレーションにより調べ、白色ノイズの場合と比較した。白色ノイズの場合、平均逃散率は速やかに一定値に収束するが、非白色ノイズの場合、平均逃散率は前者より数倍大きくかつ非定常的であることが見い出された。この結果は、1/f型ノイズでは一方向への力がある時間にわたって連続的に生成されるため、両方向の力がほぼ交互に生成される白色ノイズに比べ準安定状態から逃散し易くなるためと考えられる。2)凝縮相の有効反応ダイナミックスの研究:環境系の揺らぎが必ずしもGauss型のような単純なものにならないこと及び揺らぎ等が環境系の個性を反映していることを考慮しつつ凝縮相反応を扱うため、一般化されたFokker‐Planck方程式の研究を行なった。全系のハミルトニアンが環境系部分、反応系部分及び相互作用部分の和で与えられる場合についてLiouville方程式をPρ≡e^<βw(x)>e^<-βV>ρ^<eq・>_e∫dXρで定義される演算子を用いて縮約することにより、射影演算子を陽に含まない反応系の発展方程式を導くことができた。3)非平衡状態に関する原理的研究:多重パイこね変換と呼ばれる数理モデルにおいて、拡散過程と密度分布関数の発展演算子の関係、Fick則に従う非平衡状態の研究を行い、可逆な力学と非可逆変化に伴う非平衡状態を両立させるためにフラクタルな分布が重要な役割を果たしていることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)