Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
可積分ヒエラルヒ-の数学的構造と弦理論などとの関連について考察し,いくつかの新たな結果を得た. 1.戸田格子ヒエラルヒ-が低次元の弦理論を記述する有効な枠組みであることがわかった.戸田格子ヒエラルヒ-と並んでよく知られた可積分ヒエラルヒ-にはKPヒエラルヒ-があり,それと低次元の弦理論との関連はここ数年の集中的研究の中で明らかにされてきた.戸田格子ヒエラルヒ-が現れるのはc=1の弦理論と呼ばれるもので,KPヒエラルヒ-の関わるc<1の弦理論を違って,実際に幾何学的標的空間をもっているのが特徴である.c<1,c=1のいずれの場合も鍵となるのは弦の方程式と呼ばれる方程式であるが,戸田格子ヒエラルヒ-の場合,このような弦の方程式についてはこれまであまりよくわかっていなかった.今回の研究では戸田格子ヒエラルヒ-における弦の方程式を(これまで知られていなかったものも含めて)かなり一般的な形で求めることができた. 2.高次元可積分ヒエラルヒ-の例はtwistor理論や自己双対方程式などを手がかりにいくつか構成されているが,τ函数を定義することはまだなされていなかった.今回の研究では多成分KPヒエラルヒ-におけるτ函数の定義を参考に,ある種の可積分ヒエラルヒ-のτ函数の定義を試みた.このヒエラルヒ-はトーラス上のPoisson/Moyal代数に基づいて構成されているが,このヒエラルヒ-自体がこれまでに知られていなかった新しいものである.
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