Project/Area Number |
06222101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
荒川 洋二 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00192469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木股 三善 筑波大学, 地球科学系, 講師 (20143167)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | メガクリスト(巨晶) / 灰長石 / 島弧火山岩 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は以下の通りである。 1.東北日本弧、伊豆-小笠原弧の火山フロント沿いの火山岩に特徴的に含まれる灰長石巨晶、かんらん石巨晶について、EPMAによる化学分析の測定、Sr同位体比の測定、および微小部X線回折装置、顕微ラマン分光装置を用いた巨晶中の微量鉱物の同定、さらには顕微フーリエ赤外分光光度計を用いた巨晶中の炭化水素の定性分析を行った。 2.EPMA分析結果は、灰長石、かんらん石巨晶がxenocrystであり、それらを含む母マグマから晶出したものではないことを示している。また、Sr同位体比の測定結果も、巨晶と母岩とでは明らかに値が異なる場合があり、起源の違いがより明瞭となった。このことは、これらの巨晶がマントルで発生した母マグマから単純に晶出したものではなく、マグマの上昇過程での他のマグマの混合、あるいは既に晶出し、地殻(マントル)中に取り残された巨晶をマグマが取り込んだものであることが推測された。 3.各巨晶中に含まれる包有鉱物は、微粒の金属銅、亜鉛、真鍮であることが明らかになった。また、灰長石巨晶中には、単斜輝石、スピネルも同定された。 4.灰長石巨晶中の炭化水素は、メチレン-基CH_2であることが赤外分光光度型で同定された。これらの単結晶中の炭化水素の存在は、おそらく初めての研究であり、巨晶の起源や成因を考える上で重要である。
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