Project/Area Number |
06222203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 武義 東北大学, 理学部, 助教授 (80004505)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 島弧火山 / マグマ供給系 / 岩石系列 / 光量子放射化分析 / ICP質量分析法 / レーザアブレーション / 結晶分別作用 / マグマ溜り |
Research Abstract |
本研究の目的は、火山地質学的、岩石学的、地球化学的手法を用いて、個々の島弧火山体・火山群における岩石系列の時空変化を明らかにし、それらのデータに基づいて、島弧マグマ供給系の構造モデルを確立することにある。今年度は、表記課題のもとに、高精度分析法の開発ならびに各地の火山体・火山群についての基礎的研究を行い、マグマ供給系の検討を行った。 高精度分析法の開発としては、光量子放射化分析における各種補正・定量計算を自動的に行うとともに得られた定量分析結果を直ちに解析し、地図上に表示するシステムを構築した。さらに試験的に火山岩試料についての標準添加ガラスビ-ドを用いたレーザアブレーションICP質量分析法の評価を共同研究者とともに行い、本法が難溶性鉱物を含んだ試料に対しても有効であることを確認した。 今年度、噴出物の時空変化を検討した火山体・火山群は、東北本州弧高原火山ならびに蔵王火山群、乗鞍火山列木曽御嶽火山、琉球弧霧島火山群、奄美大島白亜紀現地性火山岩類、メキシコ火山帯西部の陸弧火山群である。これらのいずれの火山においても、複数の岩石系列岩が存在する。今年度の研究により、それら多様な岩石系列は、マントル起源物質の組成、部分溶融度の違いだけではなく、マントルから地表に連なるマグマ供給系内での結晶分別作用が異なる深度で行われることによっても生じていることが明確になってきた。また、推定される分別深度は地震学的に予想されているマグマ溜り深度とも極めて良い一致を示すことも明瞭になってきた。異なるテクトニクスはそれぞれ固有のマグマ供給系を通して、特徴的な岩石系列を生じているらしく、今後は火山学的・岩石学的に推定されるマグマ供給系の構造とそれが置かれたテクトニクスとの関連を追求してゆきたい。
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