Project/Area Number |
06224205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
泉岡 明 東京大学, 教養学部, 助手 (90193367)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | フラーレン / C_<60> / C_<70> / 電荷移動錯体 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
これまでにC_<60>とBEDT-TTF(ET)及びET骨格を2分子有するツインドナーとの電荷移動錯体結晶を得、それらのX線結晶構造解析結果を報告した。C_<60>結晶の三次元的な最密充填構造に対し、これらの錯体は、C_<60>分子が2つのET(またはET部)に取り囲まれつつもC_<60>同士の接触を残し、1次元のカラム構造を有している。C_<60>分子は室温で回転がほぼ止まっており、CT相互作用が分子の回転を抑えている重要な要因と考えられる。本年度においてはフラーレンの形状変化が錯形成に及ぼす効果を検討する目的でET_2C_<60>錯体の錯形成をMO的に解釈するとともに、ET分子とC_<70>との錯形成能を検討した。 ET_2C_<60>錯体の分子軌道計算はPM3法により行なった。ETのHOMOはTTF部に大きな係数をもち、NHOMOは分子両端の硫黄原子上に大きな係数をもつことから、両方の軌道がともにC_<60>のLUMOと相互作用していると考えれば、2つのET分子が中性の状態よりもさらに折れ曲がり、C_<60>を包み込むような構造をとっている結晶構造とも良く対応することがわかった。これらのことからET分子の構造的柔軟性が、C_<60>のような球状分子の軌道と効率的な相互作用を生じ易くし、錯形成に有利に働いていることが明らかとなった。 またフラーレンの形状変化が錯形成に及ぼす効果を検討する目的でラグビ-ボール型分子であるC_<70>との錯体の調製を行ない、C_<70>とETの比が1:1の時、黒色板状晶の良質結晶を得た。結晶構造は現在解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)