Project/Area Number |
06225209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井上 祥平 東京理科大学, 工学部, 教授 (20010762)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ポルフィリン / 金属ポルフィリン錯体 / 不斉触媒 / 不斉ホスト / アミノ酸 / 分子不斉 |
Research Abstract |
ポルフィリンは剛直な大共役環状構造を有するテトラピロール配位子であるが、様々な金属との錯体形成が可能な上に、骨格上の置換基群を柔軟に分子設計できることから、不斉空間構築のための素材として極めて魅力的な化合物である。我々はポルフィリン骨格上の置換基の特定の配列によって生じるエナンチオトピックな面に修飾を施すことにより、これまでに様々な分子不斉ポルフィリンや金属錯体を合成し、それを用いた新しい機能開発を行っている。その中で、最近、剛直なポルフィリン骨格上に、官能基を認識するサイトを三次元的に導入した分子不斉N-置換ストラップポルフィリン錯体の設計に設計した。本研究では、これを用いた(1)不斉炭素やらせん構造を有する様々な不斉分子のキラリティーの高度な識別、(2)高度な選択的分子変換反応の開拓を中心に研究を進めている。 本年度は、分子不斉N-置換ストラップポルフィリン亜鉛錯体をキラルなレセプターとして用い、N-保護アミノ酸アニオンなどの液-液抽出における不斉選択性を調べた。その結果、N-カルボベンゾキシ(Z-)バリンなどNHCO結合を持つ基質に対しては、最高96%の高い不斉選択性でアミノ酸の不斉炭素の左右の認識がされ、ラセミのアミノ酸の光学分割が可能であることが分かった。さらに、モノメリックなアミノ酸誘導体の高度な不斉認識を、より高次の不斉要素、つまり分子の高次構造(ヘリシティー)の認識へと展開させることを目的として、溶液中においてラセミ体のレセプター分子とポリグルタミン酸(PGA)との相互作用を調べたところ、ポリペプチド鎖がα-ヘリックス構造をとっているとき、錯体の片方のエナンチオマーが優先的に捕捉され、一方、ポリペプチド鎖がランダム構造のときは、不斉識別がほとんどなされないという興味深い事実を見いだした。
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