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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究においては,電極表面に共有結合により結合したホスト自己集合膜を用いる膜透過性の制御を検討した.硫黄-金共有結合により金電極表面に自己集合単分子膜を形成することが期待されるβ-シクロデキストリンのチオエーテル誘導体を合成した.これらのホストの自己集合単分子膜修飾金電極を用い,マーカーの膜透過性をサイクリックボルタンメトリーにより検討した.その結果,上述ホストの自己集合膜を用いて,ホストーゲスト錯形成により分子間及び分子内チャンネルに基づく膜透過性を制御できることが分かった.即ち,フェロシアン化物イオン(マーカー)を用いた場合,ゲストとしてアダマンタニウムイオンの存在によって,分子間間隙に基づく膜透過性を静電的相互作用により制御できた.一方ホストを修飾した単分子電極をさらに1-ドデカンチオールで処理して,分子間間隙をできる限り少なくした分子内チャンネル膜を作成した.フェロシアン化物イオンをマーカーに用いることにより、ゲスト濃度に依存したサイクリックボルタモグラムが得られ,電子トンネリングを示唆する指数関数的形状から,マーカーはホストの内孔を通過はできないが,部分的に内孔に捕捉され酸化を受ける可能性が示された.ホストとして2-メルカプトエチルリン酸塩2の自己集合膜を用いた場合には,荷電ゲストによって誘起される膜表面電荷の変化に基づいて分子間間隙のマーカー透過性を抑制できた. この他,分子間間隙透過性の制御に基づくアプローチにより,キャスト法により作製した1-オクタデシルシトシン修飾グラシーカーボン電極を用い,フェロシアン化物イオンの膜透過性の制御に基づいてヌクレオチドGMPをAMPから選択的に識別することに成功した.また,気/液界面に作成したカリックス[4]アレン及びカリックス[6]アレンのエステル誘導体及び脂溶性カリックス[4]アレンの単分子膜はアルカリ金属イオンとの錯形成により膜透過性の制御が可能なチャンネル類似膜として機能することが分かった.
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