電極界面における電子移動のモンテカルロシミュレーション
Project/Area Number |
06226232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90027350)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 電極界面 / 電解質イオン / モンテカルロシミュレーション / 非線形性 / 吸着層 / エネルギー・ギャップ則 / ヘルムホルツ層 / グイ・チャップマン層 |
Research Abstract |
本研究では電極界面にある電解質イオンと溶媒分子の分布に関する動的構造と電子移動のエネルギー・ギャップ則をモンテカルロシミュレーションで調べた。半径23Aの球状の容器を作り、それを2分する平面を電極表面とし、片側の半球に電解質イオンと溶媒分子と反応体を入れ、反対側の半球にそれぞれの鏡像をおいた。電極表面に電荷が存在するとき、始状態(反応体の電荷が0)の自由エネルギー曲線は終状態(反応体の電荷が+1)の自由エネルギー曲線の約1.5倍になった。均一溶液中ではこの比が約1.1であるので、電極界面では誘電飽和のために非線形性が増大していることがわかる。電極表面から各粒子がどのように分布するかを調べると非常に多くの対イオンが電極表面に吸着していることが明らかになった。これは、これまで指定されていたヘルムホルツ層を示すものと思われる。吸着層の外側は電解質イオンの濃度勾配のゆるやかな変化がありグイ・チャップマン層を構成する。次に、電極表面に電荷が存在しないとき、電解質イオンの吸着は少なく、均一系とほとんど同様の分子場を形成している。電解質イオンがエネルギー・ギャップ則に与える効果はほとんど見出されなかった。このことは電解質イオンがサポ-ティング物質であると考えられてきたことを支持するものである。本研究の計算には名古屋大学の大型計算機を使用した。本年度まではプログラム作成に大部分の時間を費やし、成果はあまり大きなものではない。来年度以降本格的な数値計算を実行し、多大の成果が得られると期待している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)