オリゴチオフェン類を用いる新規光・電子機能性修飾電極の開発
Project/Area Number |
06226244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 英之 大阪大学, 工学部, 助手 (00222167)
野間 直樹 大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | オリゴチオフェン / ラジカルカチオン塩 / 電気化学的ド-ピング / 導電性 / 共役鎖長 / ビニル型高分子 / 修飾電極 / エレクトロクロミックデバイス |
Research Abstract |
本研究では、新規な導電性有機物質の創出と機能性修飾電極への応用を目的として、構造を制御したオリゴチオフェンおよびそれらを側鎖に有する新規高分子の電気化学的ド-ピングを検討し、得られるラジカルカチオン塩の導電性とエレクトロクロミック素子など機能性修飾電極への応用に関する研究を行った。 (1)構造を制御したオリゴチオフェンの電気化学的ド-ピングと導電性 オリゴチオフェンの電子物性を共役鎖長と相関させて明らかにすることを目的として、これまで研究の行われていなかったオリゴチオフェンの電気化学的ド-ピングを行い、得られるラジカルカチオン塩の電導度について検討した。両末端チオフェン環のα位をエチル基で置換したチオフェン4量体(DEt4T)および5量体(DEt5T)の電気化学的ド-ピングによって、DEt4T場合には作用電極上に、DEt5Tの場合には溶液中に沈殿として黒色のラジカルカチオン塩が得られた。これらの塩の室温電導度は、それぞれ、DEt4T(ド-ピング率:約100%)についてσ=10^<-7>Scm^<-1>、DEt5T(ド-ピング率:約50%)についてσ=10^<-3>Scm^<-1>であり、電気化学的にドープしたDEt4TとDEt5Tとの間で電導度に顕著な差異が見いだされた。これは共役鎖長の差以外に組成の違いに基づくと考えられる。 (2)オリゴチオフェンを側鎖に有する新規高分子を用いる機能性修飾電極の作製とエレクトロクロミック特性 オリゴチオフェンに基づく優れた光・電子機能にフィルム形成能および耐久性を付与した機能性修飾電極の開発を目指して、チオフェン3量体および4量体を側鎖に有するビニル型高分子poly(5-vinyl-2,2′:5′,2″-terthiophene)(PV3T)およびpoly(5-vinyl-2,2′:5′,2″:5″,2'''-quaterthiophene)(PV4T)を、対応するビニルモノマーの電解重合および触媒重合で得た中性高分子の電気化学的ド-ピングによって合成した。合成した高分子は、電気化学的脱ド-ピングおよびド-ピングにより、PV3Tでは青紫色と淡黄橙色、PV4Tでは緑色と淡黄色の鮮明な可逆的色彩変化を示し、それぞれ2秒間のド-ピングおよび脱ド-ピングのサイクルを500回繰り返しても、可逆な色彩変化が観測された。これらの高分子は新規なエレクトロクロミック材料として期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)