Project/Area Number |
06226283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ケテンシリルアセタール / エノン / 向山-マイケル反応 / ルイス酸 / 電子移動 / ラジカル / 分子軌道 / 活性化エネルギー |
Research Abstract |
我々はすでにケテンシリルアセタールとエノンの向山-マイケル反応がケテンシリルアセタールからルイス酸への電子移動によって開始されることを明かにしている。本年度はこの課程に関する詳細な情報を得るべく種々のルイス酸とケテンシリルアセタールの反応を調べるとともに分子軌道計算による検討も行なった。 ケテンシリルアセタールに当量のTiCl_4を室温で作用させるとコハク酸エステルが得られることはすでに報告されている。我々は同様の反応がマイケル反応を行なっている-78℃でも進行することを確認した。一方、SnCl_4と反応させるとα-スタンニルエステルが生成した。いずれの反応も電子移動反応により説明される。即ち、最初に生成したSncl_3ラジカルがエステルラジカルと結合してα-スタンニルエステルが生成するのに対してTiCl_3ラジカルの場合にはTi-C結合が熱的に不安定なためエステルラジカル同志のカップリングがおこる。 さらに向山-マイケル反応が求核的に進むものと仮定して活性化エネルギーを反経験的分子軌道法(PM3)により計算した。その結果、より立体障害の少ない反応の活性化エネルギーが立体障害の大きい反応のそれより約1.4kcal mol^<-1>低いことが分かった。これは実験結果とは正反対であり、反応が求核的に進んでいないことを示すものである。これまで主として電気化学的手段でケテンシリルアセタールとルイス酸の間の電子移動について考察してきたが上に述べた反応および分子軌道計算からも確認できた。
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