Project/Area Number |
06227207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉良 満夫 東北大学, 理学部, 助教授 (40004452)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジシレン / ジゲルメン / 付加反応 / トリアルキルシリル / ビラジカル / ラジカルアニオン / ジアニオン |
Research Abstract |
ケイ素、ゲルマニウムなどの高周期14族元素の2重結合化学種(ジシレンおよびジゲルメン)は一般には不安定活性種であるが、近年、立体的に嵩高い置換基を導入することによって単離同定されるようになった。しかし、合成的制約のために、その置換基の種類は限られている。本研究では、電子的立体的に独特の置換基効果の期待されるトリアルキルシリル基で完全置換したジシレンおよびジゲルメンの合成、単離とその物性と反応性を明らかにすることを目的として研究を行った。本年度は特に種々のテトラキス(トリアルキルシリル)ジシレンおよびジゲルメン[(R_3Si)_2M=M(R_3Si)_2](1__〜M=Si,2__〜M=Ge;a__〜R_3Si=i-Pr_2MeSi,b__〜R_3Si=t-BuMe_2Si,c__〜R_3Si=i-Pr_3Si)の反応挙動を中心に研究した。1__〜および2__〜はアルカリ金属還元によって、対応するラジカルアニオンおよびジアニオンを生成した。これらの溶液中の構造をESRおよびNMRによって明らかにした。1__〜は水と付加体を形成するなどジシレンの通常の反応性も有しているが、トリアルキルシリル置換体特有の反応性も示した。すなわち、1__〜および2__〜は四塩化炭素と容易に反応して対応する1,2-ジクロロ付加体を収率よく生成した。また、クロロホルムとの反応では1-クロロ-2-ジクロロメチル付加体を高収率で与えた。1-ブテンのような末端オレフィンとはエン反応生成物を生成した。これらは1__〜および2__〜がビラジカルとして反応していることを示唆している。またジシレン1__〜はメチルリチウムと反応して付加体を生成することが分かった。ケイ素-ケイ素およびゲルマニウム-ゲルマニウム2重結合の新しい反応様式である。
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