高効率付加環化を目的とする活性有機遷移金属分子の創製
Project/Area Number |
06227229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 健兒 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60023149)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 均一系触媒 / シクロプロパン化 / アルケン錯体 / カルベン錯体 / ルテニウム / 不斉合成 / 炭素-炭素結合生成 |
Research Abstract |
C2キラルなメリジオナル配位子として作用する独自に開発した不斉修飾剤、2,6-ビス(4'(S)イソプロピルオキサゾリン-2-イル)ピリジン)pybox.ipr)をジクロロ(p-シメン)ルテニウム二量体と反応させて生じる溶液に、エチレン(1atm)を導入することにより高効率不斉触媒反応剤RuCl_2(pybox.ipr)(C_2H_4)(1)を創製した。1はスチレンをはじめとする多様な一置換アルケン類の、ジアゾ酢酸エステルをもちいる不斉シクロプロパン化に対し、きわめて高いトランス選択性(>90:10)Dと高いエナンチオ選択性(>90%ee)を示す不斉合成触媒となることを発見した。主生成物のトランスシクロプロパン類のエナンチオ選択性は用いるジアゾ酢酸エステルのアルキル置換基の立体的かさ高さが大きいほど高く、とくに1ーメンチルエステルを用いた場合にはジアステレオ選択性が付加的に作用して95%eeを超える高い選択性が達成できた。 この不斉反応の鍵となる中間体であるルテニウム(II)カルベン錯体の構造を推定するため、pybox.iprとジクロロ(p-シメン)ルテニウム二量体を反応させたのち、トリメチルシリルジアゾメタンおよび一酸化炭素と作用させたとろ、対応するRuCl_2(pybox.ipr)(=CH-SiMe_3)(2)、およびRuCl_2(pybox.ipr)(CO)(3)の単離ならびにNMRスペクトル測定に成功した。さらに3についてはX線構造解析を行った結果、pybox.ipr配位子の三座窒素原子と同一平面にカルボニル配位子が存在することが明らかとなりカルベノイド配位座を確定することに成功した。 これらの知見とスチレンから生成する主生成物であるシクロプロパンカルボン酸エステルの絶対配置が(1R,2R)体である事実にもとづき、スチレンのre面に対し、配位的に飽和なルテニウム(II)カルベノイドがそのre面から三中心的に移動する反応機構を推定した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)