ルテニウム錯体触媒に特徴的な選択的官能基変換反応の開発
Project/Area Number |
06227234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡部 良久 京都大学, 工学部, 教授 (70025956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健司 京都大学, 工学部, 助手 (10243049)
近藤 輝幸 京都大学, 工学部, 助手 (20211914)
光藤 武明 京都大学, 工学部, 教授 (90026344)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ルテニウム錯体触媒 / 官能基変換反応 / 炭素-炭素結合生成反応 / 高選択的合成 / π-アリルルテニウム錯体 / アリル化反応 / 環化共二量化反応 / カルボニル化反応 |
Research Abstract |
我々は従来開発が不十分であったルテニウム錯体の触媒機能について重点的、かつ詳細に検討を行なっており、本研究では新規炭素-炭素結合生成反応や高選択的官能基変換反応、新規複素環化合物合成法開発等の面でルテニウム錯体に特徴的な触媒機能の開発を検討している。その一環として(1)π-アリルルテニウム錯体の特性を利用した新規炭素-炭素結合生成反応について検討した。我々は既にπ-アリルルテニウム錯体の求核性、求電子性いずれをも示す特異なアンビフィリックな反応性等を見いだしている。これに関連して、炭素求核剤ならびに窒素求核剤の位置特異的アリル化反応を見いだしたが、この位置選択性はパラジウム錯体触媒を用いた場合と全く異なり、より立体障害の大きいアリル炭素上で高選択的に反応が進行した。また従来のRu(COD)(COT)-アミン触媒系よりもさらに高活性・高選択性を示す新触媒系(Cp^*RuCl(COD)-アミン触媒系)の開発に成功した。さらに、炭酸アリル類のカルボニル化反応を検討したところ、Ru_3(CO)_<12>-1,10-フェナントロリン系触媒により炭酸クロチルの立体障害の大きな炭素のカルボニル化が、より選択的に進行することを見いだした。一方、(2)ルテニウム錯体触媒によるアリルアルコールの環化カルボニル化反応開発の一環として、二つの置換基を1位に有するアリルアルコール類を、酢酸アリル存在下、RuCl_2(PPh_3)_3-K_2CO_3触媒を用いてカルボニル化すると、フラノン誘導体が得られることを見いだした。また、(3)新たに開発したCp^*RuCl(COD)触媒系によりアセチレン類とノルボルネン類との[2+2]環化共二量化反応の開発に成功した。本触媒系によりアセチレン類の適用範囲が飛躍的に広がった。本反応は中性の“Cp^*RuCl"種で進行した接触的炭素-炭素結合生成反応の最初の例である。さらに、(4)カルボン酸アミド基のN-H結合活性化を経るアセチレンへの付加反応について検討したところ、対応するエナミドが位置および立体選択的に得られることを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)