可動型不斉発現素子の開発-鉄カルボニル錯体を用いた生理活性物質の不斉合成研究
Project/Area Number |
06227244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩田 宙造 大阪大学, 薬学部, 教授 (60028842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 佳司 大阪大学, 薬学部, 助手 (20227060)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 光学活性ジエン鉄トリカルボニル錯体 / ヘテロ[4+2]環化付加反応 / 過塩素酸リチウム / デヒドロピペリジノン / SS20846A / 可動型不斉発現素子 / 1,5-求核置換反応 / シアノリン酸エステル |
Research Abstract |
(A)光学活性なジエン鉄カルボニル錯体の合成 ソルビン酸と光学活性なアルコールを縮合して得られるキラルなジエノエステル体に対するジアステレオ選択的な鉄カルボニル化反応を検討した結果、不斉源としてexo,exo-2-(arylsulfonamido)-3-bomeol誘導体を用いた場合に優れた立体選択性が得られ、特にN-アリール基として2-ナフチルスルホニル基が最も良いことが分かった。 (B)ジエン鉄カルボニル錯体を不斉源とした環化付加反応 光学活性なピペリジン環の簡便な合成法の確立を目指し、イミン錯体(3)とDanishefskyジエンとの[4+2]環化付加反応の利用を検討した結果、塩化メチレン中過塩素酸リチウムが効果的であること、また反応性と立体選択性に重大な影響を及ぼす窒素上の置換基として、パラメトキシベンゼン(Ar=PMP)が必須であることが判明した。このようにジアステレオ選択的に得たデヒドロピペリジノン誘導体(4)は1,4還元、脱錯体化、ケトンのヒドリド還元を経由して、消化管運動抑制作用を有するピペリジンアルカロイド[(-)-SS20846A]へ導いた。 (C)ジエン鉄カルボニル錯体の可動型不斉発現素子としての利用 ジエナ-ル錯体(1)より合成したシアノヒドリン誘導体(5:LG=Ac,3,5-DNG,2,4,6-TCB,PO(OEt)_2)を酸共存下メタノールと反応させると、アセテート体(5a)は1位の立体異性体で反応性が異なるものの、ベンゾエ-ト誘導体(5b,c)やリン酸エステル体(5d)においては、いずれのジアステレオ体からも同一の1,5置換体(6a)を与えした。一方、求核種(RS,N_3)を、過塩素酸リチウム共存下エーテル中室温で反応させるか、THF中:触媒量のBF_3・Et_2Oとアルコールを氷冷下反応させると、それぞれ(E,Z)-7a-dが選択的に得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)