Project/Area Number |
06227250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
中沢 浩 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (00172297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 勉 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (70221603)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | メタラホスホラン / 異常原子価 / π電子供与 / 擬回転 |
Research Abstract |
ホスホランのリン上の置換基の1つが遷移金属フラグメントで置き換わったメタラホスランは、異常原子価リン化合物を配位子とする遷移金属錯体であるため、典型元素化学の立場からも、また錯体化学の立場からも大変興味深い錯体である。本研究では鉄及びルテニウムのメタラホスホラン錯体の合成とその性質について調べた。 〔Cp(CO)_2Fe{P(OPh)_3}〕PF_6とo-NaOC_6H_4NH_2をTHF中-78℃で反応させるとCp(CO)_2Fe{P(OC_6H_4NH)_2}が生成することがわかった。これはアルコキサイドの酸素原子が配位しているリン原子を求核的に攻撃してリンに原子価を拡張するという新しい反応である。中心金属は鉄に限らずルテニウムの場合も同様な反応が進行してルテニウムホスホラン錯体が生成した。リン上の置換原子が酸素のみの錯体や、酸素3原子に窒素1原子をもつ錯体も合成可能であることがわかった。また、中心金属上のカルボニル配位子の1つをホスフィンやホスファイトにかえた錯体も合成できることがわかった。 リン上の置換原子が異なる錯体を比較すと、アミノ基の数が増すに従って^<31>PNMRの高磁場シフトが観測された。アミノ基のπ電子供与によりケミカルシフトが高磁場にシフトしたものと解釈できる。鉄上の置換基が異なる錯体を比較すると、^<31>PNMRスペクトルにおいては、それぞれ2組のダブレットが観測された。これはP周りに加えて、鉄周りもキラルとなるためと考えられ、従ってこれらの錯体において、NMRのタイムスケール内で擬回転は起こっていないことが明らかとなった。
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