電子エネルギー損失分光法を用いたフリーラジカルと半導体表面の相互作用の研究
Project/Area Number |
06228217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 気相-固相反応 / ラジカル / 高分解能電子エネルギー損失分光 / 水素終端シリコン表面 / 未結合手 / 自然酸化 |
Research Abstract |
本研究では、半導体デバイスプロセスに用いられる気相-固相反応の中でも、特にシリコン表面におけるラジカルの反応に着目し、高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)装置を用いて、その反応過程を明らかにした。 超高真空中で熱清浄化したシリコン表面を原子状水素に晒して作製した水素終端シリコン表面では、分子状酸素による酸化が表面の脱離にともなって進行するのに対して、原子状酸素による酸化は水素の有無に関わらずシリコンのバックボンドに直接吸着することが明らかとなった。この結果から、酸化が進行する際に表面の未結合手が酸素分子の解離サイトとして働くと考えられる。 水を飽和吸着させたシリコン表面は未結合手がSi-HおよびSi-OH結合で覆われており、室温における酸素分子の曝露では酸素の吸着は観測されなかった。それに対して酸素原子の曝露では、水素終端面と同様、シリコンバックボンドへの吸着が見られた。この結果は、未結合手を終端することがシリコンの自然酸化を防ぐ本質であることを示している。 また、水を飽和吸着させたシリコン表面を原子状水素雰囲気に晒すことにより、表面のSi-OH結合中の酸素原子がシリコンバックボンドへ移動する過程が観測された。この事実は、水素を用いた反応が酸化温度の低温下および酸化過程の制御に対して有効な手段の一つであることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)