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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
超高真空中でSi(111)基板に形成した7×7超格子構造表面上に電子ビーム蒸発によって生成したSiのフリーラジカルを供給しながらSi層を成長させた.基板温度を250,380℃に設定した.成長表面を反射型電子回折(RHEED)で観察したところ,前者では2×2構造形成を示し,後者では必ず7×7超格子構造が形成していることがわかった. 成長は水晶振動子及びRHEEDの鏡面反射強度を観測して制御し,(1/4)BL(1BL=0.31nm)間隔で成長を止め,各表面を走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて観察し,次に述べるような結果を得た:(1)250℃では,(1/4)BL以上の厚さのSi層表面は5×5,7×7,2×2,c2×4構造からなりそれぞれの領域は平均的に30nm^2以下の面積であった;(2)380℃では基板表面のSi層の第1層(1BLの厚さ相当)表面上でも,大部分の領域が30nmのサイズをもつ7×7領域からなり,第2,3層と積層するにしたがって7×7領域に加えて5×5領域が増加した. これらの表面構造の相違は,各成長条件でのメゾスコピック構造形成の引き金となる結晶核形成過程と密接に関わっている.そこで,成長初期過程の表面を詳細に観察したところ,(3)250℃では厚さが(1/2)BLのアモルファス様島が数多く形成している,(4)380℃ではそのようなアモルファス様島の形成は一切認められず,3つの5×5構造の領域がコーナーホールを共通にして形成している,ことがわかった. 以上より,250℃で形成されたメゾスコッピク構造はアモルファス様島が結晶化する際の原子の集団的な振舞いが結晶核形成と構造緩和に関与するのに対して,380℃では原子1個ずつ基板表面に供給されながら基板表面の7×7構造を崩して行く過程で結晶核が形成され,成長とともに構造緩和が不十分になるために5×5領域が増加すると予測される.
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