アモルファス合金の超急冷過程での熱物性特にフォノンに関する分子動力学法による研究
Project/Area Number |
06230201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相原 智康 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00231100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 清 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70124542)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 分子動力学法 / 超急冷 / 多体ポテンシャル / 非平衡 / アモルファス合金 / ダイナミックス / フォノン / 動的構造因子 |
Research Abstract |
分子動力学計算をZr_<67>Ni_<33>合金について行った.原子間の周期的な協調運動を明らかにするために,分子動力学計算から得られる原子の座標と速度の時系列データを用いて密度流スペクトルならびに密度流相関関数を計算した.縦波モードの密度流スペクトルについては,明瞭な相関が構造因子の第1ピーク位置Q_0=26nm^<-1>の2倍の波数まで観察される.これに対して,横波モードにおいてはQ_0/2の波数までは明瞭な相関関係が見られるが,それ以上の波数においては相関はかなりブロードになっている.スペクトルを各成分に分離することにより,Zr-Zr相関の運動は非局在化しているのに対して,Ni-Ni相関の運動は局在化していることが新たに明らかになった.さらに,密度流スペクトルよりフォノンの分散曲線を得,その温度依存性について明らかにした.スペクトルから得られるデバイ温度は,低温比熱の実験値を再現する.拡散に代表される原子の低エネルギー運動は時間の関数として解析される.この緩和現象の解析として,van Hove相関関数ならびに中間散乱因子を計算した.過冷却液体とアモルファス状態とではvan Hove相関関数の挙動が異なる.中間散乱因子は融点以下では二段階の減衰を示し,それはデバイ型ならびに引き伸ばされた指数関数の和として近似できる.また,統計力学的方法では埋没してしまう情報を抽出するために,個々の原子の運動の軌跡の解析を行った.アモルファス状態においても,一部の原子では,ジャンプモーションや緩慢な並進運動などの比較的大きな変位が生じている.ガラス遷移は原子の運動が凍結されるというよりは,原子の長距離にわたるランダムな変位が物質全体にわたっては生じなくなることであると考えを提示した.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)