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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
惑星大気の大規模運動が持つ2次元乱流的側面を理解するため,等方的な渦度強制を与えた場合の回転球面上の2次元乱流に関する数値実験を行ない,理論的考察を行なった.回転球面上の渦度方程式を基礎方程式として,渦度強制は限定された波数成分のみでランダムに与えて,高分解能モデルを時間発展させた.系の回転角速度をパラメータとして,静止球から木星の4倍の状態までの6つの場合について実験を行なった.主な結果は次の通り: 1.惑星の回転によってエネルギー逆カスケードは抑制され,輸送されたエネルギーは自転角速度が大きいほど高波数域に堆積する.スペクトルは波数nの巾となるが,その勾配自体が自転角速度に依存してn^<-3>からずれる. 2.波数空間内のエネルギー分布は惑星の回転によって非等方的になる.低波数域にはエネルギーがほとんど輸送されない領域が存在する.エネルギー分布の非等方性は低波数域だけでなく高波数域にも見られ,これらは同一のメカニズムによって生じていると考ええられる. 3.惑星が回転している場合,流れ場は非等方的になり,東風ジェット域と西風ジェット域が緯度方向に交互に並ぶ帯状縞構造が卓越する.自転角速度が大きいほどジェットの幅が狭くなり,縞の数が増える.縞構造は,時間発展のごく初期の段階から認められ,一度構造ができあがると,それ以降ほとんど変化しない. 4.渦度強制が比較的小さな波数で与えられる場合,自転角速度が大きいと強制と同じ水平規模で渦度場が経度方向に引き伸ばされる.一方,渦度強制が大きな波数の場合には,渦の大きさ自体は強制と同じ程度でその形状は自転角速度に依らないが,渦の集合の仕方が,自転角速度に依存する:ジェットの縞構造と対応して,正の渦度と負の渦度が帯状に分離する.
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