Project/Area Number |
06233211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷲見 治一 湘南工科大学, 工学部, 教授 (60023686)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超新星 / 星間プラズマ / 星間ガス / リング構造 / MHD |
Research Abstract |
超新星1987Aの周縁に密度の高いガス塊がリング形状で存在していることが観測より明らかになっている。理論及び大規模なMHD計算機シミュレーション解析によりこのリング形状ガス塊の電磁流体力学的生成過程並びに電波・X線・ガンマ線放射について研究を行った。超新星爆発の前の段階の赤色巨星、青色巨星の段階では星の自転に伴い、その周縁にトロイダル磁場が生成されるがこの磁場は星から吹き出るガス即ち恒星風により遠方に運ばれる。赤色巨星からの恒星風は低速、青色巨星からの恒星風は高速であったと考えられている。従って星が赤色巨星から青色巨星へと進化した段階で周縁ではそれまで充満していた低速ガスに内側から高速ガスが衝突し衝撃波が生成される。衝撃波面ではトロイダル磁場が強まり、磁気圧がガスに対して働き、衝撃波接触面において赤道付近でガスが集積される。この電磁流体力学的(MHD)過程がリング生成の基礎過程であることが我々のMHDシミュレーション解析により明かとなった。 ごく最近ハッブル天体望遠鏡により、赤道帯のリングに加えて南北両外側に別のリングが存在することが明かとなった。我々のシミュレーション解析により、トロイダル磁場強度は低緯度で最大であるためガスは磁気圧により赤道帯に集められると同時に自転軸方向にも集められ、しかも軸方向のガスの集積は単純に自転軸上にではなく、激しく且つ複雑なガスダイナミックスにより、軸の周りにリングとしてなされることが明かとなった。これが観測で新たに得られた2つのリングに対応するものと考えられる。少なくとも他のモデルではこれら全てのリングを説明するのはきわめて難しく、我々の電磁流体力学的モデルの優位さを示すことが出来た。また後方衝撃波面から放射される電波が観測と対応することが推測された。定量的により観測に近い形状を再現すべく引き続き解析を進めている。
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