Project/Area Number |
06235209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 敏昭 大阪大学, 理学部, 助手 (70151165)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | アクチンモノマー / 非重合アクチン / ミオシンヘッド / アクトミオシン / X線小角散乱 / 結晶化 |
Research Abstract |
我々は筋収縮のエネルギー変換を蛋白質の分子構造に立脚して理解するために、最小単位であるアクチンとミオシン頭部の単量体コンプレックスを調製し、その結晶化とX線結晶構造解析ならびに溶液X線散乱による溶液構造解析を併用してエネルギー変換中のアクトミオシン分子の構造解明を目指した。 (1)改良されたDHT/MBS-アクチンとミオシン頭部複合体の調製。すでに二価性架橋剤マレイミドベンゼン酸エステル(MBS)で難重合性アクチンとミオシン頭部との架橋複合体を形成させることに成功し、ATPによりアクチン結合部位が頭部上で1-2nm変位することを示唆する電顕観察を昨年度報告した。しかし高蛋白濃度で2:1複合体を形成し重合する欠点があった。アクチンのサブドメインIIのチロシン53をジアゾニウムテトラゾル(DHT)で化学修飾した。その結果、ファロイジンを作用させても全く重合しないアクチンモノマーが調製できた。MBS-アクチンを化学修飾してできたDHT/MBS-アクチンはDHT-アクチンより安定で、ミオシン頭部と1:1に結合した。さらにMBSによりアクチンとミオシン頭部S1との1:1架橋複合体を形成させることに成功した。この架橋複合体モノマーをカラムクロマトグラフィーにより分離精製することにも成功し、X線溶液散乱実験と結晶作成の試料とした。 (2)アクチン・ミオシン頭部複合体のX線溶液散乱実験。MBS-アクチンのX線溶液散乱実験はすでに行い、分子の形態を表す慣性半径、分子コード長、分子間相互作用を示す慣性半径の濃度依存性などは未処理のG-アクチンとほぼ同じであった。しかし結晶解析されたアクチン分子とは慣性半径、コード長は少し大きかった。現在この違いが何によるのか水分子の配位、ドメイン間内部運動などモデル計算により検討している。MBS-アクチンまたはDHT/MBS-アクチンとミオシン頭部S1と1:1に混合した試料、DHT/MBS-アクチン・S1架橋複合体モノマーの試料についてX線溶液散乱実験を開始した。予備的実験によると慣性半径はS1単独に比べかなり大きいことがわかった。 (3)アクチン・ミオシン頭部複合体の結晶化。DHT/MBS-アクチン・S1架橋複合体モノマーを試料として結晶化を試みている。蒸気拡散法を主に使用しマイクロプレート上でスクリーニングした。 以上、現在までアクチン・ミニオン複合体モノマーの結晶化には至っていないが、これらの試料のX線溶液散乱実験はかなり進展した。現在結晶化を精力的に押し進めている。
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