輝尽発光現象を利用した電子やイオンの二次元センサの開発とそのトンネル物性への応用
Project/Area Number |
06236101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
南戸 秀仁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30133466)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | トンネル物性 / 輝尽発光 / トンネル電子 / FEM / FIM / 二次元センサ / KCl:Eu / SrS:Eu,Sm |
Research Abstract |
個々の表面原子の電子状態を直接調べる手段としてSTM,FIMおよびFEM等が開発され、物質のおける個々の原子のトンネル物性の解明を目的とした研究が活発化してきている。とくにFEMやFIMでは、探針を制御しながらトンネル電子やイオンにより電子状態を写しだすことが可能であり、トンネル確率の評価に威力を発揮するが、イオン化したガスの検知に従来使われていたチャネルプレート/蛍光スクリーンの不十分な感度と狭いダイナミックレンジのため、トンネル物性に必要な十分な情報がえられない。本研究は、この点に着目して、FEMやFIMにおけるトンネル電子やイオンの二次元像を感度よくかつ高い分解能で直接的に得ることのできる輝尽発光(PSL)現象を利用した全く新しい原理に基づいた二次元イメージセンサの開発とトンネル物性への応用を目的に行われた。本年度は以下の成果が得られた。 (1)FEMおよびFIM像の二次元イメージセンサとして現在X線用として市販されているBaFBr:Euを用いたイメージングプレートを応用する際の問題点を明らかにするとともに、本研究で着目しているKCl:Eu蛍光体が、イメージセンサ材料として有望であることを明らかにした。 (2)BaFBr:EuやKC1:Eu蛍光体を用いた場合は、イメージの書き込みが、蛍光体中の陰イオン空孔に電子がトラップされることで実現されているが、本年度の研究により、ドープしたSm不純物が電子トラップの役割を果すSrS:Eu,Sm蛍光体を見いだし、この蛍光体がX線や電子線あるいはイオン線の照射に対して強いPSLを示すこと、ならびに、放射線量に対しするPSL強度の関係が良い直線性を示すことを明らかにできた。また、このSrS:Eu,Sm蛍光体は薄膜化も可能であり、FEMおよびFIM像検知用イメージセンサとして有望である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)