第一原理的計算による表面吸着系のトンネル物性の理論的研究
Project/Area Number |
06236203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 功佳 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80221969)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 走査トンネル 顕微鏡 / 第一原理計算 / グラファイト / 遷移金属ダイカルコゲナイド / モアレ / 層状物質 / トンネル現象 / 表面吸着系 |
Research Abstract |
第一原理的な計算手法を用いて、表面吸着系のトンネル物性の研究を行った。本年度は特に層状物質のSTMに見られるモアレ像の起源を明らかにした。具体的な研究成果は以下の通りである。 1.金属表面上の単原子層グラファイト TiC(111)表面上の単原子層グラファイトの電子状態を第一原理的な計算により明らかにするとともに、第一原理計算で得られたバンド構造を再現するようにTight・Bindingのパラメータを選び、モアレ像のシミュレーションを行った。その結果、モアレ・パターンが生ずるためには、グラファイト層と下地との相互作用の大きさ及びそれぞれのバンドの位置とともに、表面と探針との距離も重要なパラメータであることがわかった。 2.遷移金属ダイカルコゲナイド まず、MoS_2表面の電子状態を平面波基底を用いて第一原理的に求め、STM像の精密な計算を行った。その結果、STMで見られている像は表面第2層目の遷移金属ではなく表面第1層のカルコゲンであることを理論的に決定した。また、このヘテロ表面で見られるモアレ像を調べるために、バネモデルを用いて安定構造を決め、STM像の計算を行ったところ、実験で得られている像を説明するためには格子位置の歪が重要であることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)