異方的量子ドットを介したトンネル電流の多電子相関効果
Project/Area Number |
06236208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
名取 晃子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50143368)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 量子ドット / ガウス型軌道 / 多電子相関効果 / 非制限ハートレーフォック法 / D^-イオン |
Research Abstract |
半導体ヘテロ界面構造を用いて作成された量子ドットでは,界面平行方向の閉じ込めポテンシャルは調和型ポテンシャルで良く近似される。界面垂直方向(z-軸)にも調和型ポテンシャルを仮定した異方的調和型閉じ込めポテンシャルを持つ量子ドットの多電子基底状態を求めた。それより,トンネル電流のバイアス閾値に対応する化学ポテンシャル,量子ドットの静電エネルギーを記述する静電容量を求めた。 N電子固有状態はz軸の周りの全軌道角運動量L_z,全スピン角運動量S_z,x-y面に対する鏡面対称性で特徴づけられる。基底状態のエネルギーE(N)の計算には,非制限ハートレーフォック法を用いた。スレーター行列の基底は異方的調和振動子の固有関数の1次結合,即ち異方的ガウス関ρ^<n1>exp(-(ρ^2)/2ι^2_x┫D7)exp(imψ)z^<n2>exp(-(z^2)/2ι^2_z┫D7)の1次結合で書き表した。 E(N),化学ポテンシャルμ(N)=E(N)-E(N-1),微分容量C(N)=e^2/[μ(N+1)-μ(N)]の計算を行ない,閉じ込めポテンシャルの量子化効果と電子間相互作用効果の競合を明らかにした。 異方的電子状態の計算に対する異方的ガウス関数基底の有効性を,量子井戸内D^-イオンの磁気光吸収スペクトルの計算を通して調べた。計算結果は磁気光伝導度の実験結果と良い一致を示し、基底関数の有効性が確認された。 来年度は、多配置ハートレーフォック法への拡張、量子ドットと金属電極間のトンネル透過確率スペクトルの計算を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)