Project/Area Number |
06236216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 真樹 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (50243267)
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50229556)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光励起走査トンネル顕微鏡 / Si(100)2×1表面 / 光励起走査トンネルスペクトロスコピー / 金属フタロシアニン / SrTiO_3(100)√<5>×√<5> / 高温超伝導体薄膜 |
Research Abstract |
当研究課題では励起状態からのトンネル物性をSTM/STSを用いて観測することにより、表面及び表面吸着系における励起電子の振る舞いを明らかにし、表面電子のダイナミクスを個々の原子・分子レベルで議論することを目的としている。本年度研究費により、光照射と同期して走査トンネルスペクトロスコピーを行うシステム、及び光変調法によりトンネル電流の光誘起成分の表面分布状態を画像化するシステムを完成した。この装置を用いてSi(100)2×1表面の光照射下におけるトンネルスペクトルについて研究した。従来、光照射下におけるSTM測定においては光起電力が観測されており、トンネルスペクトルも単純なバンドシフトとして理解されてきた。しかし本研究において、価電子帯と伝導帯で著しく強度の異なる光誘起トンネル電流を観測し、光励起により生成した電子あるいはホールが直接トンネル電流となって現れることを見いだした。これは励起状態からのトンネル現象を直接観測できることを示している。さらに、光変調法により、Si(100)2×1表面に吸着した金属フタロシアニン1分子の光誘起トンネル電流像を得た。実験結果より、フタロシアニン吸着サイトでは、光誘起トンネル電流が増加していることが解った。この結果は、Ag/Si(111)7×7などの系において吸着サイトで光誘起トンネル電流が減少することと対象的であり、興味深い。これらの研究と並行して、特徴的なギャップ内準位を持つなど、光励起効果の期待される系についてSTM/STS研究を進めた。SrTiO_3(100)√<5>×√<5>表面の酸化反応およびSr吸着構造の研究、および高温超伝導体薄膜の表面構造及とフェルミ準位近傍の電子状態に関する研究を行った。
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