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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究では半導体表面上への金属膜形成機構を解明するため以下の研究を行った。まず,基板となる半導体の一つとして炭化珪素(SiC)を取り上げ,その表面組成と構造の温度変化をオージェ電子分光法(AES),走査プローブ顕微鏡(SPM)により調べた。その結果,1000℃を越える熱処理により,半導体表面からSi原子の蒸発が選択的に起こり,半導体表面が炭素リッチな表面に変化すること,及び3x3,√<3>x√<3>,6x6超構造の現れることを見いだした。そして,これらの超構造がDASモデル,グラファイトの1層吸着モデルで説明されることを示した。 次に,グラファイト上の金属クラスター生成について,金属としてCoを取り上げ,クラスター・サイズとその構造・電子状態をAES,及び電子エネルギー損失微細構造法(SEELFS)により調べた。その結果,Coの堆積量の変化とともにクラスター径を変化させ得ることを明らかにし,また,クラスタ径の減少とともにCo-Co原子間距離が短くなること,及びCo-M_<2,3>準位の結合エネルギーが大きくなることを見いだした。これは,クラスター・サイズの減少とともにクラスターの体積に対して表面の占める割合が大きくなることで説明されることを示した。 また,電子線励起の放射軟X線分光法により,金属膜形成後の界面を非破壊分析する手法により,比較的厚いCr膜を堆積させたCr(薄膜)-Si(基板)接合を調べた結果,室温での堆積時点で既に界面に合金層の生成していることを明らかにした。
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