Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 旦六 神戸大学, 工学部, 教授 (20031114)
福山 秀敏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10004441)
長岡 洋介 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60022539)
川畑 有郷 学習院大学, 理学部, 教授 (80013514)
伊澤 義雅 (伊澤 義昭) 広島大学, 工学部, 教授 (10006265)
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Budget Amount *help |
¥46,100,000 (Direct Cost: ¥46,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥20,900,000 (Direct Cost: ¥20,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥18,600,000 (Direct Cost: ¥18,600,000)
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Research Abstract |
この計画研究の主たる目的は人工極微構造に現れる基礎物理学上重要な問題を理論的に解き明かし,新しい概念を創出することである.物性基礎論理的な純粋論的な問題から,実験グループと密接な関係を保ちながら行う研究,さらにはデバイスの動作原理や限界と関連した問題まで,幅広い研究を総合的に行うことを目的とする.本最終年度は以下のような主たる成果を得た. [1]量子細線の電気伝導に対する電子間相互作用の効果,特に朝永-Luttinger流体効果によるコンダクタンスの量子化値について,原理的な問題として取り上げられた.その結果,電子間多体効果は量子化値には影響しないことがほぼ明らかになった.Landauer流の理論と久保公式との間の関係が,メソスコピック系の輸送現象を記述する理論の枠組みに関する大きな問題として浮上した.これは将来にわたり,さらに議論されるべき大きな問題である. [2]量子点の電子状態と輸送現象・トンネル効果に関しては,マイクロ波など振動電場の及ぼす影響について研究した. [3]局在領域と非局在領域のクロスオーバ領域でのコンダクタンスゆらぎについて,その統計性を調べ,Wigner分布となることを示した. [4]ウィグナー分布関数による多次元量子構造モデルの具体的な応用では,デバイスとして用いたときに現れる種々の量子効果の影響についての考察を行った.本年度は特に,光学フォトンによる散乱と,サブバンド間散乱の効果についての研究が進展した. [5]アンチドット格子では,整合ピークの起源とカオスの関係について明確な理論的説明を与えることができた.また,整合ピークの回りの量子振動について,散乱行列を用いた量子力学的な計算を行い,アンチドットの不規則性が重要な役割を演じることを示した.また,最近の局在効果についての実験的な報告に呼応して,その理論的研究を開始した.
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