Project/Area Number |
06238213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤木 宣彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023330)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 電子波干渉 / 二重量子井戸 / トンネル効果 / 電子格子相互作用 / エネルギー緩和 / フェムト秒分光 / 飛行時間法 / フォノン散乱 |
Research Abstract |
GaAs/AlGaAs二重量子井戸構造を有する1次元細線における電子散乱と干渉効果を明らかにすることを目的として、量子井戸間の電子散乱と1次元細線構造における電子のエネルギー緩和現象を検討した。先ず、二重量子井戸構造におけるサブバンド間散乱と干渉に関する実験では、外部電圧を印加することによりそれぞれの量子井戸に局在する電子状態のエネルギー間隔を変え、波動関数の干渉(共鳴)を起こさせることによりトンネル効果の確率がどのように変化するかをフェムト秒分光法で測定し共鳴幅(5meV)における準位の僅かの差による電子の流れが生ずることを見いだした。また、p形二重量子井戸構造における正孔のサブバンド間散乱をホール効果の測定により初めて見いだした。次に、細線構造における電子散乱現象を明らかにするためにウエットエッチング法により線幅0.3μmの1次元細線を作製し、フェムト秒ホトルミネッセンス強度相関法を用いて電子のエネルギー緩和時間を測定した。その結果、1次元構造では音響フォノンと電子との相互作用が緩和され、エネルギー緩和時間が長くなることを見いだした。特に電子の運動エネルギーがGaAsの光学フォノンエネルギーより小さい場合には外部電界による加熱効果が電子格子相互作用によるエネルギー緩和効果を凌駕することを示す負の相関波形が得られた。これらの結果は1次元構造では電子散乱現象が緩和され電子波干渉長が長くなることを示唆している。今後、1次元二重量子井戸構造における上記測定を行い電子波干渉と散乱現象を明らかにする予定である。
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