π性電子供与体の環境場における光電子移動反応の制御
Project/Area Number |
06239109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
志摩 健介 宮崎大学, 工学部, 教授 (20029862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敏明 国立都城高専, 助手 (80191287)
中林 健一 宮崎大学, 教育学部, 助教授 (60201670)
保田 昌秀 宮崎大学, 地域共同研究センター, 助教授 (00174516)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | π性電子供与体 / 光電子移動反応 / 光アミノ化反応 |
Research Abstract |
光電子移動反応で発生する反応中間体の反応性を制御する方法として、、増感剤や共増感剤のように電子移動反応に直接関与する試剤を添加する方法が一般的であるが、我々は最近、電子移動反応には直接関与しないπ性電子供与体の添加がその反応性を変化させることを見い出している。 そこで、本研究ではArHと基質との間の相互作用を利用して新しい型の光電子移動反応の制御方法の確立と新しい反応の開発を目的として芳香族アルケンと電子受容体との光電子移動反応で生成するカチオンラジカル種に対するArHの添加効果について次の(1)-(4)の項目について検討を行った。 (1)アネトール(1a)の光アミノ化反応に対するπ性電子供与体(ArH)の添加効果 この実験は、1a、m-ジシアノベンゼン(DCB)、およびArHを含むアンモニア飽和アセトニトリル水溶液を光照射して行った。ArHとしては1,3,5-トリフェニルベンゼン(TPB)などを用いた。光反応の結果、アミノ化生成物である2-アミノ-1-(p-メトキシフェニル)プロパン(2a)の収率がArHを添加しない場合52%であったが、TPおよびm-TPの添加によってそれぞれ収率が91%および85%に向上した。 (2)種々の芳香族オレフィンの光アミノ化反応に対するArHの添加効果 1a以外の種々の芳香族オレフィンについてもTPBの添加を検討した結果、1aの場合と同様に収率の向上が見られた。 (3)光学活性なArHを用いる光アミノ化反応 カチオンラジカルとArHのπ錯体形成を確かめるために、(-)ーメンチルメチルベンジルエーテルのような光学活性なArHを用いて1aの光アミノ化反応を検討した。その結果2aに不斉誘導が起こり、比旋光度は最高で1.57°の値が得られた。 このようにArHの添加効果が観測され、光電子移動反応の新しい制御方法が見い出された。そこで、今後は光学活性なArHを用いる不斉誘導反応を多くの基質に展開していきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)