フーリエ変換ESR法による光反応中間体のナノ秒ダイナミクス
Project/Area Number |
06239208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10127152)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | フーリエ変換ESR / パルスESR / 金属錯体 / 光化学反応 / 光励起状態 |
Research Abstract |
金属錯体の光化学反応をパルスESRと時間分解ESR法で追跡した。 1.亜鉛ミオグロビン-キノン系の光誘起電子移動反応 我々がこれまで研究してきたポルフィリン-キノン系の光誘起電子移動反応の研究をミオグロビンの系に展開した。その結果、スピンの異常分極(CIDEP)機構・関与する常磁性種のスピン緩和時間がポルフィリンの系とは著しく異なることがわかった。これはミオグロビンの系特有のものであり、生体内電子移動との関連を検討中である。 2.金属ジチオラート錯体-メチルビオローゲン系 金属錯体系の反応中間体の捕捉例は極めて少ない。本研究では剛体溶媒中の時間分解ESRで3種類の信号を分離することができ、ゼロ磁場分裂(zfs)からそれぞれ錯体の局在励起状態、錯体とメチルビオローゲンの電荷移動状態、イオン対状態と同定することができた。今後、パルスESRを用いた溶液中の観測を行いダイナミクスを明らかにする予定である。 3.コバルトポルフィリン-酸素錯体系 常磁性金属を含む錯体の電子励起状態の研究は、そのスピン緩和の速さからほとんど研究されていない。本研究では、テトラフェニルポルフィリンのコバルト錯体に酸素を添加した系の励起状態の観測に成功した。信号はゼロ磁場から10,000ガウスに及ぶ広範囲にマイクロ波の放出(E)として現れ、zfsの大きさから四重項状態と考えられる。信号の時間変化、温度変化から二種類の錯体の存在が示された。これはCo・・O_2間の距離の異なる錯体によると考えられるので、この系はミオグロビンの酸素脱着モデルとしても有望である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)