Project/Area Number |
06239212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 健次郎 東京大学, 工学部, 教授 (90167677)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | シュタルク分光 / 局所場 / 局所場因子 / 強誘電性高分子 |
Research Abstract |
光反応を分子の局所的環境との関係においてミクロに捉えようとする本重点領域研究において、局所的環境をプローブできるシュタルク分光法を用い、最終的には一分子分光にまで至ることを長期的な目標に掲げて研究を行った。その手始めとして、強誘電性高分子の局所場を直接評価することを試みた。結晶性のよい薄膜が容易にえられるフッ化ビニリデンと3フッ化エチレンの幾つかのモル比をもつ共重合体をロ-ダミン色素をプローブとして0.1%混入した薄膜についてシュタルク分光を行った。分子が感じる局所場は、巨視的に電場および分極にローレンツの局所場因子Lをかけたものの和として表される。強誘電体では電場と分極が同相でないために、Lが適当に仮定されている場合にのみシュタルク効果にヒステリシスが現れないというユニークな事情がある。このことを使って不確定要素無しにLを決定することができた。フッ化ビニリデンのモル比が50-70%のとき、測定されたLは0.2の程度であり、ランダムな系において予想される1/3よりはるかに小さかった。この値は、結晶形を仮定してなされた数値計算の結果ともよく一致している。強誘電性高分子に対するこのような測定は本例が初めてである。なお、このような分光法をより少数の、スペクトル的にも空間的にも限られた分子について行うために、近接場光学顕微鏡の試作に着手し、現在、粘性力をモニターする原子間力顕微鏡として像がとれるところまでに至っている。
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