樹木状分子のナノスペース内で完全孤立化したポルフィリル錯体の光反応ダイナミックス
Project/Area Number |
06239216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 工学部, 助教授 (00167769)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ポルフィリン錯体 / デンドリマ- / 電子移動 / 人工光合成 / 超分子 / 光機能性材料 |
Research Abstract |
本研究では、デンドリマ-と呼ばれる樹木状の多分岐ナノスペース内にクロロフィルと類似の構造を有するポルフィリン錯体を一分子だけ内包した戦略的な光機能性超分子(かごポルフィリン錯体)を構築した。このポルフィリン錯体は、分子量8480の巨大単一分子であり、直径8ナノメートルの球状構造を有しており、樹木状分子鎖がポルフィリン錯体の上下に広がるため、その疑似的なかご内部ポルフィリン錯体部位の完全孤立化が保証されている。これまでの検討から、サイズの小さな電子受容体分子はかごを通過してコアの電子供与体であるポルフィリン錯体に到達できるが、サイズがある程度大きな電子受容体分子はかごを通過できず、コアのポルフィリン錯体と相互作用できないことが分かっている。 本年度は、この点に着目し、デンドリマ-置換基のかさ高さの段階的な変化に伴いポルフィリン錯体コアが遮蔽されていく様子を調べた。具体的には、デンドリマ-亜鉛錯体へのデンドリマ-置換イミダゾールの配位反応の平衡定数を求めた。その結果、ポルフィリン錯体に結合したデンドリマ-置換基、あるいはイミダゾールに結合したデンドリマ-置換基が嵩高くなるにつれ、結合定数は段階的に小さくなっていき、デンドリマ-中でポルフィリンコアが孤立化した環境におかれていることが実験的に立証できた。さらに、この結果を基に、デンドリマ-で内包された電子受容体を合成し、光照射によりデンドリマ-内部のポルフィリン錯体からの光誘起電子反応を起こさせ、長寿命電荷分離状態を達成し、その電子を第3成分へ移動させる可能性を検討し、人工光合成反応の構築へつないでいくための基礎を確立した。
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Report
(1 results)
Research Products
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