光化学をプローブとする層状固体表面での分子配向の制御と設計
Project/Area Number |
06239228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沢木 泰彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 克彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023264)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 粘土層間化合物 / 光化学プローブ / 配向制御 / インターカレーション / ノリッシュII型反応 / シス-トランス異性化 / シクロ二量化 |
Research Abstract |
はじめに 粘土に代表される無機層状化合物は、二次元に広がった積層空間を持ち、有機ゲスト分子を収容する機能を持つ。このホスト層空間に収容された有機分子の吸着・集合形態と光化学特性を明らかにする目的から、アニオン性層状複水酸化物(LDH)粘土層表面での有機ゲスト分子の吸着・配向・集合形態を詳細に検討した。 結果と考察 (a)ノリッシュII型光脱離・環化 高級脂肪酸の末端にベンゾイル基を持つアセトフェノンは、溶液中で光照射すれば分子内水素引き抜きに続いてβ解裂してアセトフェノンと不飽和脂肪酸を生じるか、環化してシクロブタノールを生じる。層間に吸着した脂肪酸は、X線回折による層間距離の測定から層面に垂直な配向を予測させた。この配向状態ではLB膜類似の集合状態となり水素引き抜きで生じた1,4-ジラジカルはβ解裂に従うことが予想される。実際、溶液中で起こるシクロブタノールへの環化は層内では起こりにくく、特に長鎖の脂肪酸では全く観察されなかった。これは均一溶液中での結果と対照的であり、層間内での配向性を示唆する結果を得た。 (b)シス-トランス異性化反応 パラ位に長鎖アルキル基を持つスチルベンカルボン酸をパラ位にベンゾフェノン基を持つ安息香酸で光増感シス-トランス異性化を行った。層間での増感異性化では光定常状態がシス-トランス体のいずれからも達成され、いずれの異性体でも異性化が可能な程度にはルーズに充填されていることを予測させた。 (c)シクロ二量化 不飽和脂肪酸の励起一重項「2+2」光環化付加を行うと、中間のエキシマーの立体化学を反映するシクロ二量体を生成する。二量体の立体化学から層間に吸着したプローブ分子の吸着・配向状況が予測された。粘土層間での光二量化の結果、互いに異性体であるスチルベンカルボン酸とフェニル桂皮酸からの二量体の立体化学は大きく異なった。オレフィン分子が層表面に垂直な交互配向だと仮定すると、反応点である二重結合部位の違いがこれら異性体の反応性を支配していると理解された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)