Project/Area Number |
06239252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 晴夫 東京都立大学, 工学部, 教授 (90087304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白上 努 東京都立大学, 工学部, 助手 (60235744)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 無輻射失活 / ホット分子 / 振動増感 / 水素結合 / アミノアントラキノン / 過酸化物 |
Research Abstract |
研究代表者が最近見出した「液相中で選択的な分子間水素結合を介して他分子に余剰振動エネルギーを伝達し新たな化学反応を誘起する」モデル反応について詳細に検討した。具体的にはアミノアントラキノン類への光照射により生成した電子励起状態からの分子間水素結合による無輻射失活の詳細と無輻射失活に共役した過酸化物の分解反応について検討した。 1)分子間水素結合による無輻射失活 2-アミノアントラキノン(2AA)、2-ピペリジノアントラキノン(2PA)の励起一重項からの失活について新たに15種類のアルコール類、ヒドロペルオキシド類を用いその消光挙動を検討した。蛍光極大波長は消光剤の種類によらず濃度が増大するに従い長波長シフトした。消光定数についてもヒドロペルオキシド類はアルコール類と類似の挙動を示した。両者とも分子間水素結合相互作用による同様の機構で消光すると結論できる。最も消光能の高いメタノールはほぼ拡散律則で消光した。構造の違いによる消光能の変化については立体要因として分子中の水酸基露出表面積および基底状態アミノアントラキノンとの水素結合生成定数に強い相関が見られた。 2)過酸化物の増感分解反応機構 2AAおよび2PAによるクメンヒドロペルオキシドの可視光増感分解について蛍光消光、寿命測定、速度論的検討などから反応機構を明らかにした。増感分解生成物の量子収率測定から求めたkr/kd、蛍光消光のKsv、寿命測定からのKsvは良く一致した。励起一重項状態に於ける分子間水素結合相互作用による無輻射失活に共役して過酸化物の酸素-酸素結合が切断後、クミルオキシラジカルの生成を経由してアセトフェノンおよび2-クミルアルコールが生成すると考えられる。増感分解の限界量子収率から見積もった水素結合による消光後の振動エネルギー移動効率は2AA、2PAについてそれぞれ4%、5%と非常に大きい値となっている。
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