Project/Area Number |
06239264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
間瀬 一彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40241244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇理須 恒雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (50249950)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光刺激脱離 / 表面 / 軟X線 / コインシデンス測定 / 光電子分光 |
Research Abstract |
【序】軟X線(λ=100〜2Å程度の光)照射に起因する表面からのイオン脱離の研究は、比較的新しい基礎研究であり、光反応による表面加工など応用上も重要な研究分野である。光イオン脱離を誘起する内殻電子励起を特定するためには、光イオンと同時に放出される光電子をエネルギー選別して検出することが重要である(光電子-光イオン・コインシデンス測定法)。 【装置】研究装置は超高真空槽、試料作製装置、電子-イオン・コインシデンス測定装置などから構成される。電子-イオン・コインシデンス測定装置は、電子銃、静電円筒鏡面型電子エネルギー分析器(CMA)、飛行時間型イオン質量分析器(TOF)などから構成される。軟X線源としてはX線銃、あるいは軌道放射光(分子研、UVSOR)を用いる。 【実験】試料として水素を吸着させたシリコン単結晶表面(Si(111)-H)を用いた。試料にパルス電圧を印加して、電子衝撃イオンTOFスペクトルを測定し、TOFの動作を確認した。また、オージェ電子スペクトルを測定し、CMAの動作を確認した。さらにSi(111)-Hを電子ビームで励起し、Si2pオージェ電子とH^+イオンのコインシデンス測定を行なった。Si(111)上の吸着分子であるシリコン水素化物(SiH、SiH_2、SiH_3)のSi2p電子を励起すると、オージェ過程誘起脱離機構によってSi-H間の結合が切れ、H^+が脱離すると期待できる。しかし、Si2pオージェ電子と同時に脱離したイオンのシグナルはノイズ(オージェ電子と無関係に脱離したイオンのシグナル)に埋もれて判別できなかった。以上の結果は、光電子-光イオン・コインシデンス測定は本装置によって原理的に可能であるが、イオン脱離機構を解明するにはS/N比が不十分であることを示している。
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