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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
先に我々が報告した絶対配置決定に使用できるキラルシフト試薬Na[Eu^<III>((RorS)-pdta)]の特徴を生かし,かつ錯体の電荷や各種溶媒への溶解性などがそれとは異なる錯体として新規に合成したEu(III)錯体[Eu^<III>Cl_2((R)-tppn)]ClO_4(以下(R)-ETPPNと略:tppn=N,N,N',N'-テトラキス(2-ピリジルメチル)プロピレンジアミン)が絶対配置決定の目的に有望な特徴ある水溶性試薬であることが明かとなった.以下にその概要を示す. 1.(R)-ETPPNはEuCl_3・6H_2Oと(R)-tppnをメタノール中加熱還流した後NaClO_4・H_2Oを加えることにより合成した.2.アセトニトリルから再結晶し得られた(R)-ETPPNの単結晶についてX線結晶解析を行なった.その結果,四つのピシジン環のNは,ジアミン部がgauche配座をとっているために同一平面上にはないこと,基質との配位交換が起こると予想される二つのCl^-のうち一方は比較的立体障害の少ない位置にあることが明かになった. 3.(R)-ETPPNのキラルシフト試薬としての性質を代表的なα-アミノ酸について^1HNMRにより調べた.その結果,(R)-ETPPNは中性条件下で効力を発揮するはじめての水溶性ランタニドキラルシフト試薬であることがわかった.従って中性アミノ酸であれば溶液のpHの調整は不要である.H_αシグナルの相対位置と絶対配置の間には,測定した10種の基質についてすべてL体が高磁場側に現れるという規則性が見られたことから(R)-ETPPNは絶対配置決定用試薬として有望である.さらに多くの基質についての規則性の検証と(R)-ETPPNの作用機構の解明が今後の課題である.また.類似錯体の合成も準備中であり,この種の錯体のキラルシフト試薬としての性質を広範に調べる予定である.なお,補助金で購入した示差屈折率検出器は,本研究で用いる化合物のHPLCによる分離,分析に用いられている.
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