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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
希土類原子のリン酸錯体の電子構造をXPSを用いて調べ、リン及び希土類原子間の電子の授受について検討した。調べた錯体は、Ce^<4+>,Ce^<3+>,Lu^<3+>,Al^<3+>,Ti^<4+>,Zr^<4+>,Sn^<4+>,Zn^<2+>のリン酸錯体である。これらの必願物を粉砕し乾燥後、超高真空αPS装置に導入し、スペクトルを測定した。特にリンの2P 3/2軌道における結合エネルギーのシフトに注目した。傾向として、4価の正イオンを含む錯体では、2P 3/2軌道は低エネルギー側に位置し、3価、2価となると高エネルギー側にシフトすることがわかった。この結果は、正の価数が大きいほど、リンは負に帯電していることを意味する。また、そのシフト量は大きく、最大で2.4eVとなることから、正イオンとリンが直接相互作用をして、金属からリンへの電子移行が起きていると考えられる。さらに、同じ価数の正イオンであっても、希土類イオンの場合では、2P 3/2軌道が低エネルギー側にあることから、希土類原子の電子供与性が大きいものと判断される。また、Ce^<3+>とLu^<3+>の場合を比較すると、Lu^<3+>の方が、2P 3/2軌道は低エネルギー側にあり、Luの電子供与性はより大きいことがわかった。以上のように、希土類電子の強い供与性が示された。
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