希土類錯体による酸素分子の活性化とアルカンの部分酸化
Project/Area Number |
06241222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60016532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 一郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (90240051)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ユウロピウム触媒 / アルカン部分酸化 / 活性酸素 / モノオキシゲネーション / ランタン触媒 / サマリウム触媒 / 酸素酸化 / アルカン官能基化 |
Research Abstract |
最近、希土類元素の特異的な反応性を利用した有機化合物の還元反応や、オレフィン類の重合反応などが報告され注目されている。温和な条件下での炭化水素の部分酸化反応は、鉄やマンガンなどの遷移金属錯体により触媒されることは良く知られているが、希土類元素を用いた報告例は極めて希である。本研究では希土類イオンを触媒として用い、酸素でアルカン類を室温で部分酸化できる触媒系の開発を試みた。平成6年度は、様々な希土類塩を触媒に用いてシクロヘキサンの部分酸化反応を実施した結果、塩化ユウロピウム、酢酸、塩化メチレン溶媒、酸素、亜鉛粉、そしてシクロヘキサンから成る反応系において、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールが主生成物で生成した。副生成物は極わずかな炭酸ガスだけであった。各種希土類塩の中でも、塩化ユウロピウムが特異的に高活性であり、1時間でのターンオーバー数は8を越えた。他の希土類塩の中では塩化ランタンと塩化サマリウムがターンオーバー数1を越え、比較的活性であることが解った。比較のため、遷移金属塩(塩化鉄、塩化銅、塩化パラジウム)を用いて反応を実施したが生成物量は少なく、塩化ユウロピウム触媒の方が遥かに反応活性が高いことが解った。本反応系は、ヘキサンやアダマンタンなどの他のアルカンの選択的部分酸化にも極めて反応活性が高いことが解った。生成物の選択性から、ユウロピウム触媒系で発生している活性酸素種は求電子的な性質であることが解った。また、電気化学的な検討を行った結果、ユウロピウムは2価で反応に関与していることが解った。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)