EPR及びENDORによる4f^7イオン錯体の配位機構の研究
Project/Area Number |
06241232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 秀夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70115591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀数 上智大学, 理工学部, 助教授 (80188325)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / ガドリニウム / スピンハミルトニアン / 微細構造 / ペロヴスカイト / フッ素化合物 |
Research Abstract |
CsCaCl_3にGd^<3+>を添加した単結晶を作成し、「高温試料共振器・直流電源」を装備したXバンドEPR装置を用いて室温から500℃の温度領域を測定した。RbCaF_3にGd^<3+>およびCsCdF_3,CsCaF_3にGd^<3+>Na^+を同時添加した単結晶試料についても測定した。観測された多種類のスペクトルから厳密対角化プログラムにより微細構造パラメータを高精度決定した。得られた微細構造項を、一軸性対称、立方対称、六回対称性をもつ二階、四階、六階テンソル項に分離したときのパラメータと生のパラメータとの理論的関係を新たに導出し、これらの関係式を用いた各対称中心の解析から各分離パラメータについて次の様な結果を得た。温度上昇とともに|b_<4c>|が減少することを見いだしたが、静水圧印加EPRや配位子ENDORの結果と合わせて検討することにより|b_<4c>|がGd^<3+>-配位子間距離の減少とともに大きくなることを示し、錯体構造のサイズの尺度となることを指摘した。四回対称中心ではb_<4a>/b_<2a>の比は母体結晶にあまり依存せずほぼ負の一定値をとるが、三回対称中心では正となり約5倍程度大きい。三回対称中心では配位子がA^+空孔から逃げながら変位することにより、Gd^<3+>-front配位子間距離が立方対称中心の値より大きくなる。b_<6c>の値は母体結晶および中心の対称性によってほとんど変化しない事実から、b_<6c>が実験から得られた一組のスピン・ハミルトニアン・パラメータのスペクトルに対するフィッティングの良さを判定するための尺度となり得る。Gd^<3+>・Na^+同時添加試料ではGd^<3+>-F^--Na^+複合中心が生成しており、間のF^-イオンが結晶軸上の位置からずれている。更に、観測された多種類のGd^<3+>中心の構造とその生成を統一的に理解するために、イオン間二体間力を用いてシミュレートするためのパソコン上でのプログラミングを現在推めている。ペロヴスカイト型フッ化物、塩化物に対する妥当な二体間力パラメータの導出も含めて、今後研究していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)