d-f元素系ヘテロ金属錯体から得られる複合酸化物の評価・応用
Project/Area Number |
06241257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
定岡 芳彦 愛媛大学, 工学部, 助教授 (50036422)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 複核錯体 / 希土類錯体 / ペロブスカイト / セラミックス / 粉体 |
Research Abstract |
合成した複錯塩、{Ln|Fe(CN)_6|・nH_2O}_X、(Ln=La,Pr,Nd,……,Dy,Ho)は250度付近で脱水が、ひきつずいてCN基の分解が300度付近から進行する。その後、部分的な炭酸塩の形成と非結晶質酸化物の生成がみられる。熱重量分析における恒量点温度はLaの場合580度付近にみられる。この恒量点では、Ln_2O_3,Fe_2O_3の混合物もしくはLnFeO_3(perovkite-type oxide)が生成していると考えられる。熱重量分析およびX-線回析の結果から、Ln=La-SmにおいてはCN基の分解と同時に非結晶質酸化物とLnFeO_3の生成がおこり、Ln_2O_3,Fe_2O_3混合物の生成は全く認められない。一方、Ln=Gd-HoにおいてはCN基の分解と同時に非結晶質酸化物の生成がみられ熱重量分析で観測された恒量点温度以下においてもLn_2O_3,Fe_2O_3の混合物とLnFeO_3の混合物が生成している。この系ではLnFeO_3の存在割合は焼成、分解温度とともに増大する。さらに部分的な炭酸塩の形成、分解は赤外線分光法により検討しLn_2O_3,Fe_2O_3の混合物もしくはLnFeO_3の生成とともに炭酸塩の消失が認められた。X-線回析の結果と、分解、生成挙動をCまとめた結果をFigs1,2,5に示した。更に、複錯塩、{Ln|Co(CN)_6|・nH_2O}_X、(Ln=La,Pr,Nd,……,Dy,Ho)についての結果をFigs3,4,6に示した。Ln-Co系においては、La,Ndについては、非結晶質酸化物とLnCoO_3の生成がおこり、Ln_2O_3Fe_2O_3混合物の生成は全く認められないが、Ln=Eu,Gd……Yb系については、非結晶質酸化物とLn_2O_3,Co_2O_X混合物の生成がCN基の分解にひきつずいて進行している。特に,Ln=Ho,YbにおいてはLnCoO_3(perovkite-type oxide)は生成しないことが確認された。 複錯塩、{Ln|M(CN)_6|・nH_2O}_Xから得られるペロブスカイト型酸化物は酸化物混合法から得られるそれよりも粒子サイズはかなりちいさい。ペロブスカイト型酸化物が生成している複錯塩、{Ln|M(CN)_6|・nH_2O}_Xの600度以上での分解物において水素結合した-OH基と炭酸イオンにもとずく吸収が認められる。他方、酸化物混合法から得た酸化物では、自由-OH基の伸縮振動が認められ、会合性-OH基、水の吸収は認められない。また炭酸イオンにもとずく吸収が認められるものM(CN)_6・nH_2O}_Xから得られのその強度は非常に小さい。このことは、複錯塩、{Ln|M(CN)_6|・nH_2O}_Xから得られるペロブスカイト型酸化物の表面は、酸化物混合法から得たそれよりもかなり表面水酸基が生成しやすく、また格子酸素はより炭酸ガスにたいして反応性が高いことを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)