新規な低原子価希土類錯体の創製とこれを用いる有機合成反応の制御
Project/Area Number |
06241267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
福沢 信一 中央大学, 理工学部, 助教授 (50173331)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 希土類 / ランタニド / 低原子価錯体 / サマリウム / イッテルビウム / トリフラート / グリニセール反応 / ピナコール |
Research Abstract |
サマリウム(III)トリフラートのテトラヒドロフラン懸濁液に1当量のsec-ブチルリチウム溶液を-20℃で加え,徐々に室温に戻すと溶液の色は赤紫色に変化をした。この溶液にケトンまたはアルデヒドを加えたところ良好な収率で対応するピナコールが生成した。 サマリウム(II)トリフラートの溶液に,まずハロゲン化アルキルを室温で加え1時間反応後ケトン又はアルデヒドを加えるとGrignard型の反応が円滑に進行した。β-テトラロンのようなアルキル化の進行しにくいケトンに対しても適度の収率で付加生成物が生成した。中間に有機サマリウム化合物が生成していることは重水で反応をクエンチすると重水素化されたアルカンが生成したことより裏付けられた。ヨウ化アリルまたは臭素ベンジルとサマリウム(II)トリフラートと反応させてもWurtz型のカップリングは起こらずにカルボニル基のアリル化反応が進行した。2-メチルシクロヘキサノン用いて反応の立体選択性を検討したところ,同条件下でのヨウ化サマリウム(II)を用いた場合に比べ高い選択性が発現することがわかった。なおイッテルビウム(II)トリフラートに関してハロゲン化アルキルとケトンとの反応を行ったところ,生成するアルコールの収率がサマリウム(II)トリフラートに比べて低いながらも反応が進行した。 サマリウム(II)トリフラートのTHF-HMPA溶液にヨウ化ブチルを室温で加え1時間後,一酸化炭素を通気しながらさらに室温で4時間反応を行った。反応溶液をGCMSで分析すると5-ノナノン,5-ブチル-5-ノナノールおよび5-ノナノンの自己縮合物(β-ヒドロキシケトン)の生成が確認された。サマリウム(II)トリフラートのTHF-HMPA溶液にヨウ化ブチルを加え所定の時間かくはん後,-78℃に冷却してジエチルケトン存在下で一酸化炭素を通気すると,α-ヒドロキシケトン(2-ヒドロキシ-2-エチル-3-オクタノン)が選択的に生成していることが確認できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)