酸化物高温超伝導体の磁気的電気的特性と希土類イオンの電子状態
Project/Area Number |
06241271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関澤 和子 日本大学, 理工学部, 教授 (40059259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 良紀 日本大学, 理工学部, 専任講師 (30171466)
小笠原 武 日本大学, 理工学部, 教授 (40059340)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 希土類イオン / 磁性 / 超伝導破壊効果 / 磁束ピンニング / 酸素含有量 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体中のCuO_2面の電子状態に関する情報を得るために、Prイオンの超伝導破壊効果に焦点を絞り、以下の3項目について研究を行った。 1.Y_<1-x>Pr_xBa_2Cu_3Oyの配向試料における磁束ピンニングと磁束クリープ Y_<1-x>Pr_xBa_2Cu_3Oyの超伝導磁化曲線と磁化緩和のx依存性の研究を行った。超伝導磁化曲線の幅から求められる臨界電流密度のx依存性が単調でなくx=0.02付近で極大を持つことを見出した。この事実は、磁束格子を最も有効にピン止めするPrイオン間隔が数格子間隔程度であることを示しており、Prイオンの超伝導破壊が局部的で原子サイズでおこっていることを示唆している。(Physica C 235-240(1994)2909) 2.Y_<1-x>Pr_xBa_2Cu_3Oyの超伝導転移温度TcとPr濃度xおよび酸素量yの関係 最近、x=0.4〜0.6付近のTcのy依存性に異常が報告された。その確認と結晶構造の解析を行った結果、Tcのy依存性が異常な領域においても、結晶の斜方晶度とTcの間に強い相関があることを見出した。 3.Bi_2Sr_2Ca_<1-x>PrxCu_2Oy系の超伝導と磁性 Bi2 212型化合物中のCaをPrイオンで置換した試料におけるCuの価数およびTcは、CaをYで置換した場合と殆ど等しく、帯磁率の温度依存性もこの系におけるPrイオンはYや他の希土類イオンと同様に3価の状態にあり、CuO_2面からは孤立しているという結果を得た。(J.Mag.Mag.Mat.in Print) Prイオンの超伝導破壊効果と酸素量についての考察 Prイオンにおいては、4f軌道のエネルギーは価電子のそれから余り深くなく、4f軌道の広がりも大きい。そのため、とくに123型化合物ではCuO_2面の酸素の2P軌道の間に混成がおこり、それが超伝導破壊につながると考えられている。Prを含む系では、価電子帯のフェルミエネルギー、(4f-P)準位、CuO鎖の電子のエネルギーは接近しており、酸素量yの変化によりその上下関係は微妙に変化するためTcの酸素量依存性も複雑になると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)