ホスト分子となるシクロファンの結晶環境下での合成とその評価
Project/Area Number |
06242202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西村 淳 群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋介 群馬大学, 工学部, 助手 (60261864)
岡田 行弘 群馬大学, 工学部, 助教授 (80211118)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | シクロファン類の合成 / ビニル芳香族化合物 / 分子内[2+2]光環化付加反応 / 包接結晶 / レセプター / π-H:π-相互作用 / X線結晶構造解析 / シン-ナフタレノファン類の合成法 |
Research Abstract |
シクロファン類の合成を研究し、効率の良いビニル芳香族化合物の分子内[2+2]光環化付加反応を見い出し、その合成法を利用して機能物質、特に特異的な性質を示すレセプター、イオノファーの創製を目指し検討を加えた。本年度はナフタレノファン類の合成と得られたナフタレノファンの包接結晶形成における選択性について検討した。 ナフタレノファン類の合成法の多くは、アンチ-体を選択的に与えるものである。もちろんシン-体の方が機能の点からより魅力的であり、この異性体を独占的に与える方法の開発が望まれていた。本方法はα-ビニル体の光反応でシン-体のみを与える方法である。合成された1,2-エタノ[2.3]ナフタノファンを種々の溶媒から再結晶すると溶媒分子との1:1包接結晶が得られる。包接結晶を形成する溶媒としない溶媒があり、検討した溶媒の中では、電子供与基を持つ偏平な芳香族分子は包接結晶形成能があるが、電子吸引基を持つものでは包接結晶を形成しないことが明らかとなった。 ナフタレノファンの構造を修飾して、この包接結晶形成能を検討した。架橋鎖を1つ増した1,2-エタノ[2.4]ナフタレノファンは、同様な結果を与えたが、2つ増した1,2-エタノ[2.5]ナフタレノファンは単独で結晶化するのみで、包接結晶形成能はなかった。 1,2-エタノ[2.3]ナフタレノファンとベンゼンとの包接結晶のX線結晶構造解析によれば、ベンゼンはナフタレンと辺対面に配置されており、π-H:π-相互作用をしているように見える。π-H受容体としてより電子密度の高い芳香族が包接結晶を作りやすく、トルエンとほぼ構造の類似なクロロベンゼンがそれを作らない理由がここにあるのかもしれない。コフェシャルに芳香環を持つナフタレノファンは電子供与性物質であり、これと電子密度の高い芳香族分子がT型配置にプレオルガナイズして包接結晶を形成するのが、説明として妥当と結論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)